病院長挨拶


 このたびは当院のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。当院は、熊本県宇城地域において、救急搬送を受け入れる204床のケアミックス型病院として、急性期から回復期リハビリテーションまで幅広い医療を提供しております。運営は社会医療法人黎明会が行っており、地域医療支援病院、災害拠点病院、第2種感染症指定医療機関として、地域の中核を担う重要な役割を果たしています。新型コロナウイルス感染症の流行時には、発熱外来から中等症Ⅰの入院受け入れまで、職員一丸となって地域医療の最前線に立ち、地域に大きく貢献いたしました。その一方で、看護師の離職や患者数の減少など、厳しい影響も残しました。



 しかしながら、昨年度から本年度にかけては、こうした影響から徐々に回復傾向にあります。診療実績も上向き、紹介率は88.3%、逆紹介率は103.1%、救急車搬入件数は1,444件、入院患者数は1,960名、病床稼働率は90%を超えました。平均在院日数は27.0日と、明らかに改善しています。また、手術件数も整形外科で326件、外科で64件と増加傾向にあります。当院の柱である整形外科では、特に骨折手術が多くを占め、安定した治療体制を維持しています。さらに、外科領域では胆石症や鼠径ヘルニア手術にも注力しており、2025年度からは鼠径ヘルニアに熟練した呼吸器外科医が新たに常勤として加わりました。一方で、本年度より麻酔科常勤医が退職となりましたが、熊本大学麻酔科より週2回の非常勤派遣を受ける体制が整っており、手術への影響は最小限に抑えられる見通しです。

 設備面では2024年度末に電子カルテのバージョンアップを完了し、2025年度には現行の16列CTを高機能な80列CTへ更新予定です。これにより、短時間撮影や被ばく低減、心臓CTの導入も含め、より高度な診断が可能となります。また、延期となっていた4回目の病院機能評価も、2026年2月に受審予定です。引き続き、医療の質の向上に真摯に取り組んでまいります。

 さて、2024年度の決算においては、物価上昇や人件費の高騰により、全国の多くの病院が収支悪化に直面しているとの報道がありました。当院も例外ではなく、コロナ禍以前の診療水準には戻りつつあるものの、経費増加の影響で厳しい運営環境にあります。それでもなお、私たちは宇城地域の医療を支える社会医療法人として、そして唯一の地域医療支援病院・災害拠点病院・感染症指定医療機関として、地域の皆様の健康と安全を守る使命を胸に、全職員が一丸となって前進を続けております。今後とも、皆様のご理解と温かいご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。


(更新日:2025年6月1日)

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