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【令和8年 熊本地震に関する病院長声明】2026年8月25日

令和8年7月28日16時27分、最大震度7の激しい揺れが宇城の大地を突然襲いました。この地震でお亡くなりになられた方々に、謹んで哀悼の意を表します。また、現在も避難所や損壊した自宅での不便な生活を余儀なくされている皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。

地震による地域医療への影響

今回の地震は、宇城地域の医療提供体制に深刻な打撃を与えました。宇城市内だけで多くの医療機関が被害を受け、なかでも最も大きな被害を受けたのが、宇城市松橋町の国立病院機構熊本南病院(156床)です。地震により建物の柱や外壁に多数の損傷が発生し、病院としての機能を全面停止せざるを得なくなりました。発災当夜から翌朝にかけて、入院中の127名全員がDMAT(災害派遣医療チーム)の協力のもと他の医療機関へ緊急転院するという、大変な事態が生じました。

この地震により、宇城地域の医療体制は一変しました。複数の医療機関が機能を失うか大幅に縮小するなか、当院が地域の皆さまの医療を支える責任はかつてなく重くなっています。私たちはその責任を正面から受け止め、全力で取り組んでいます。

発災後の当院の対応

当院は地震発生直後から、災害拠点病院・地域医療支援病院としての役割を果たすべく、玄関口やロビーにトリアージ(緊急度・重症度の判定)の体制をただちに設け、救急患者さまの受け入れを開始しました。翌29日までに、重傷者を含む200名を超える負傷者・患者を受け入れ、対応が困難な場合は高次医療機関へ搬送しました。外来待合室も避難所として開放し、被災当日は31名の住民も受け入れました。

発災直後は骨折・裂傷などの外傷への対応が中心でしたが、1週間を過ぎると、猛暑のなかでの避難生活による熱中症、持病の悪化、精神的ストレスによる体調不良など、より多様な医療ニーズへの対応が続いています。全国各地からDMATに引き続き、AMAT・JMAT・DPATの医師・看護師、災害支援ナース、そして自病院も被災し、大変な中熊本南病院からの看護師派遣をはじめ、多くの団体・支援者が救急外来や病棟診療を支えてくださいました。被災者でもある職員たちの懸命な努力と、全国からの温かい支援の力を合わせて、地域の医療を守り続けることができています。

現在の診療状況

当院は急性期ケアミックス病院として、一般急性期98床(第二種感染症指定病院のため感染症病床4床を含む)・地域包括ケア50床・回復期リハビリ56床を有し、高齢者救急や地域の急性期医療を担っています。地震前からほぼ満床に近い状態でしたが、発災後は自宅が被災して退院できなくなった患者さまも多く、引き続き高い稼働率のなかで病床を運営しています。加えて、熊本南病院の閉鎖の影響や、かかりつけ医が被災して受診できなくなった患者さまの来院も続いており、外来においても通常を上回る患者さまをお迎えしている状況です。

8月3日(月)より外来は通常体制で再開しており、発災から3週間を過ぎた頃からは、救急車の件数や救急外来の患者数は震災前の水準に戻りつつあります。入院診療は発災後も一日も中断することなく継続していますが、病棟も被害を受けており、万全な療養環境とは言えない状況が続いています。給湯設備の故障により患者さまの入浴はお借りしたシャワーテントでの対応に限られていましたが、お盆休みが明けてから修繕作業が本格化し、ようやく通常の入浴ができるようになりました。引き続き、療養環境の改善に努めてまいります。

不自由な療養環境のなかで辛抱強くご協力いただいている入院中の患者さまおよびご家族の皆さまに、心より感謝申し上げますとともに、深くお詫び申し上げます。

ともに働く職員たちへの感謝

発災当日は、地元から通勤する職員の自宅が損壊し、家族と連絡が取れない時間帯もありました。特に看護職員に被災者が多く、現在も避難所や車中泊から通勤を続けている職員がいます。夏休み中の子どもを抱えながら、家庭の問題と向き合いつつ職場に立ち続けている職員のために、院内に小学生以上の子どもの預かり所を開設しました。

そのような困難な状況のなかでも、あらゆる職種の職員一人ひとりが毎日この病院に来て、患者さまと真剣に向き合い続けています。職員一人ひとりの献身なくして、この3週間にわたる医療の継続はあり得ませんでした。そして、そのような職員を支え、送り出し続けてくださった職員の家族の皆さまにも、深く感謝申し上げます。

最後に――支えてくださったすべての皆さまへ

発災後より、厚生労働省をはじめとして、国会議員の先生方、県や市の行政機関、日本医師会および県医師会や日本看護協会、県看護協会、全日病などの関係団体、施設の復旧にご尽力いただいた建設・設備関係の業者の皆さま、物資・食料・義援金等をお届けくださった企業・団体・学会・個人の皆さまなど、数え切れないほど多くの方々から物心両面にわたる多大なご支援をいただきました。支援者の皆さまのご芳名については、後日あらためてご報告させていただく予定です。

被災されたすべての皆さまが、一日も早く日常を取り戻されることを、職員一同、心より願っております。この地域の皆さまの健康を守るため、当院は引き続き全力で取り組んでまいります。

 

宇城総合病院 病院長 箕田 誠司

 

 

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